冬の生活

8月!またしても半年が瞬く間に過ぎていった・・・。

実はこの半年は去年の倍以上働いていた。今年の初めに突然職場のマネージャーの女の子が辞めてしまうという出来事があって、新しいフルタイムのスタッフも決まらないまま、ワーキング・イクスピリアンス(接客業のコースで学んでいる人々が実際にお店で見習いとして給料なしで働く)の人々を午前と午後1人ずつ迎えながらなんとか少人数で回してやってきた。今まで言われたことを聞いて働くことはそう難しくなくて、私結構できる?なんて思ってたら、突然相手に説明したり頼んだりすることが最近増えて、それが実は私には凄く苦手だということに今更気が付いたのであった。人にものを頼むのは相手が年下であっても丁寧な言い方をする方が好感が持たれると思う。それにしてもいろんなバックグラウンドを持った人々と一緒に働くのは勉強になる。

この数週間手伝ってくれているのはエルサルヴァドル人の両親を持つオーストラリア生まれのG君。凄く素直で優しい子だけど、この間午前中働いた彼の帰りがけに「午後は何をするの?」と気軽に訊いたら「今朝お父さんが黙って家を出て行ったんだ。だから気落ちしたお母さんをなだめなくっちゃね」とあっけらかんに語るので思わず絶句してしまった。「そうなんだ大変だね。他に兄弟はいる?」「5人ね。でもそのうち2人はエルサルヴァドルで小さい時に亡くなってるんだ」また絶句。お母さんは45歳だって。想像を越えるような人生を歩んで来ているんだろう。コースが終わって早く仕事が見つかるといいねG君。

さてこの日記の下書きを始めたのが4週間前の冬休み中。でもなかなか進まないうちにホリデイは終わって、その後国会で安保法案が無理矢理通ってしまったりして歯軋りしながら日本を外から見守っている日々だった。ホリデイはたくさん働いた分自分を労わなくちゃとリラックスできた。でももう昔のように、スクールホリデイに家族でキャンピングを楽しむということはなくなってしまった。いや、親の方は行きたいのだが、子供たちは行きたがらない。それぞれいつでもコンタクトしている友人達がいて、彼らとショッピングや映画に行ったり、家に泊まりに行ったり(泊まりに来たり)、スカイプで何時間も繋がっておしゃべりしたり、歌ったり楽器を鳴らしているのが楽しいらしい。全く私の子供の頃と違う世界に住んでいる子供達だ。

子供達と言えば、この間学校から成績表をもらってきて親の予想を超えて彼女たちが頑張っているのを知った。特に高校に入ったばかりのロッタがいい評価をもらっていて自信をつけている。学校に行くのが楽しいって言う彼女達、制服を着ると本当に成長してみえる。魔法にでもかけられているみたいに。ティーンになって手がかからなくなったと言えばそうであるがまだ子供(2人とも私より背が伸びたけれど)、いつでもそばにいるよ愛してるよと伝えて、プレシャスでゴージャスだってハグしてあげると凄く効き目がある(これは子供達だけでなく、他の家族にも必要なんだよね。日本人の私はそれを良く忘れがち。。。)。

2ヶ月くらい前だけど初めて足を運んだ川沿いの町、バリンバ(Bulimba)。ヴィンテージなシネマがあって(入場料が安い!)お洒落なお店がたくさん並んでいた。少し旅行者気分。それにしても16年住んでて初めて行っただなんて。ひんやりとしたブリスベンリヴァーの夕暮れ。

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9年目のパディントンからの便り

すっかりご無沙汰。
半年が瞬く間に過ぎていった。
2014年は今までの人生で一番短い一年に思えた。
でもこの半年には取り上げたらきりがないほど色んなことがあった。
大晦日に娘ふたり連れて日本に帰って3週間過ごした。
2年振りに故郷の土(いやアスファルトとコンクリート)を踏んだけれど…。
これはまた次の時に。

寒い寒い日本から戻って来て直ぐに仕事が始まり、残暑にぼうっとしていたらスティングとポール・サイモンのコンサート(前から4列目!)があるということを前日まで忘れていた。
ロックの殿堂入り20世紀の偉大なるソングライターでありミュージシャンである二人(その昔ニューヨークの同じアパートメントに住んでいてそれ以来の友人同士だそうだ)が同じステージに上がって一緒に歌うなんて事が起こったなんて未だ信じられないくらいだ。ああ、ボクちゃんと二人で命の洗濯。ポール・サイモンとスティング2人合わせて136歳。待てよ私達って合わせて何歳だっけ?と考えたら何と100歳!






ココログにスマートフォン用のアプリがあると昨日知って早速入れてみた(私のはiPhoneではなくiPodだが)。
写真をアップロードするには便利そうだけど、文字の入力は至難の技だ。
ツイッター感覚で更新すればいいんだろうけど、やっぱり何だかしっくりこない。
そこでクリスマスにやって来たiPad Airで入力してみることにした。
来週からまた仕事が忙しくなる前に今年初めてのブログの更新をサクッとしておきたいのだが、それがなかなか進まない(動画の埋め込みがポッドやパッドで出来ないので結局古いデスクトップを使って仕上げているのだが、30分に一回は壊れる)。それにしても半年空いたせいで、いよいよ作文も出来なくなってしまったみたいだ。でも最近本当に忘れっぽいので呆け防止対策で自己嫌悪覚悟で再開したいと思う。

今日焼いたのは、先週からお店で焼き始めたグルテンフリー・ブルーベリー&バナナ・マフィン。
うちでは高きび粉とココナッツ粉と米粉とタピオカ粉を混ぜたグルテンフリーミックス。米飴と蜂蜜で甘みを付けた。
仕上げにシナモンシュガー。






今年最初のオプショッピングは、2日前ヴァリーのレッドクロスで。オーストラリアのヴィンテージ皿とこれもオーストラリアのデザイナーズブランドCRのコットン&ヘンプのスカート(仕事着にちょうどいい)2点で5ドル!5ドルで幸せになれちゃう私って本当に可愛い・・・というか成長してない。

オプショップ (op shop)というのはオポチュニティー・ショップ(opportunity shop)という名前の略のこと。最近こんなことがあったんだって。

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Lost my voice

 Lost my voice.

 直訳だと声を失うだけど、英語の意味はしゃがれ声になること。日本語の驚いて絶句するという意味にはならない。

 体調を崩して仕事を休んだのは仕事を始めてから今日が初めてだ。先週末のどが痛いなあと気になっていて、酷くなる前に予防しなきゃとうがいを徹底ヴィタミンCも摂っていたんだけどなあ。でも数週間前から金曜日も仕事が入って(先週は今迄で一番忙しい週で26時間働いた!)疲れが溜まってたかもしれないし、早くも今年は花粉症の兆しが現れてきていて免疫系が弱っていたとも考えられる。昨日の月曜日はさあ今週も働くぞと5時半起床で8時に出勤したはいいが、挨拶しようと口を開くとなんと声が出ないのだった。家ではなんともなかったのに!?でも体は元気だったし、ただお客さんと会話が出来ないのでサラダのサーヴィングは他のスタッフに代わって貰って、トースティー12個、ラップ20個、ライスペーパーロール62個、玄米パーソル(これおすすめ!)26個を作った後、10分休憩してビートルートのチョコレートケーキをダブル・バッチ(2個)焼いて1時に仕事を上がった。

 帰りがてらのどの痛みが尋常じゃないのでのど飴(ヴィックスのバター・メンソールが好き。なんだか恐ろしい画像もあるな)を大量買いしてバスに乗った途端に寒気が襲ってきた。そして家に辿り着いた時には体中が痛くて熱があるなとすぐに分かった。寝込むなんて何年ぶりだろう。このブログを始めたころに酷い風邪を一回引いたっきりだったと思うから8年ぶりくらいかな。翌日のゴミ出しのためのトンカのプーパトロール(日々の落し物回収)も出きず、ただロッタのヴァイオリンレッスンの送り迎えはしなくてはならず、ベッドから這い出して38.8℃の熱でふらふらになりながら車の運転をした(片道10分だけど)。うちではお母さんが病気になるなんてめったにあることじゃないから、みんなご飯を用意してくれるし、洗い物もしてくれるし、翌朝弁当も各自作って持って行った。ああ、毎日こうしてもらえたらいいんだけどなあ。。。

 前の日のレッドレンティルと野菜のスープは生姜とにんにくの塊をおろしてターメリック(ここではチューマリックって発音するの最近知った)、クローヴ、ドライジンジャーとチリペッパーを好きなだけ入れて煮てスパーシーホットなスープを昼ごはん。のどに効いた~!

 

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The Sound of Crying

 ブライアン・イーノがデイヴィッド・バーン(トーキング・ヘッズ)に問いかけた公開書簡をツイッターで見つけた。

 私も今この地球の上で実際に行われている殺戮がなぜ止められないのかただただ疑問に思ってきた。
 兵士たちは自分の生活(家族)のために人殺しをする。
 国家は金をもうけるために武器を製造し他国に売る。
 新型兵器があればさらに大繁盛。
 平和のために人を殺してもいいなんて私たちはそんなことどこで教わった?
 政治家も大企業も利益のためなら平気で嘘をつく。
 人間の尊厳はどこにあるのだろう。
 ただ悲しんでいると自分を消耗してしまう。
 私には守らなくてはならない家族があるのだ。
 でも、だからこそこの問題の深さを想わずにはいられない。

「今日ぼくはパレスチナ人男性が泣きながら肉片の入ったポリ袋を掲げている写真を見かけたんだ。袋の中身の肉は男性の息子の身体だった。この少年の身体は明らかにフレシェット弾を使っていたイスラエルのミサイル攻撃を受けて、ばらばらに切り刻まれることになった(と病院は説明している)。フレシェット弾とはなにかもうご存知だと思うが、これは小さな鉄製の矢じりを数百個爆薬の周囲に固めた爆弾で、これが爆発すると人間の皮膚を切り刻んで剥がしていくことになるんだ。少年は名前をモハメド・カラフ・アル=ナワスラといったそうだよ。5歳だったそうだ。

ぼくはふと、この男性の袋に入っていた少年の肉片が自分の息子でもおかしくなかったのだと気づいて、その思いにもう何年も感じたことのない腹立たしさに捉われることになったんだ。
その後、国連がガザ問題についてイスラエル側に戦争犯罪を犯している嫌疑があるとして調査委員会を設立したいと表明していることを読んだんだ。でも、アメリカはこれに同意しないというんだよ。

一体、アメリカではなにが起きているんだ? アメリカのニュースがいかに偏向しているか、ある事件についての報道があったらそれについての別な見方をほとんど誰も提供しようとしないということもぼくは自分の経験から知っている。でも、本気で調べようと思ったら、実はすぐにでもわかることじゃないか。このあまりにも一方的な、ほとんど民族浄化のような行いをなぜアメリカは盲目的に支持しているんだ? どうしてなんだ? ぼくにはどうしてもわからない。これが単純にAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会。親イスラエル政策を政府に推すアメリカのユダヤ系政治団体)の影響だけでそうなっているんだとぼくは思いたくない。もし本当にそういうことなら、アメリカ政府は基本的に腐敗しきっているということになるからだよ。いや、これだけが原因だとは考えられない……けれども、ほかにどんな原因があるのかぼくには思い当たらないんだ」

「こうしたさまざまな問題をふっかけてしまって申し訳ないと思う。きみがいろんな意味で政治アレルギーだということもぼくはわかっているつもりだけど、これは政治を越えた問題なんだ。いくつもの世代にわたって人類が蓄積してきた文明の資本を今現在浪費して使い尽くそうとしているのはぼくたちなんだよ。ここでの問いかけに大袈裟なものなど一つもないんだ。ぼくにはまったくわからないし、わかれば楽なのにとも思うよ」

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once more the sound of crying

is number one across the earth

           またしても嘆きの声が

           世界中でナンバーワンになる

 昔大好きだったプリファブ・スプラウト。今になってまた彼らの「サウンド・オブ・クライング」が頭の中で鳴り始めた。

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Live Below The Line 1日2ドルの食生活体験

 昨日は雨模様だったけど今日はからっと洗濯日和の温かな日曜日。半そでで過ごせる温かい冬の朝。おっとブリスベンにまだ冬は来ていないんだったっけ?ゆっくり起きてきて1回目の洗濯開始(今日は3回廻した)。その間にボクちゃんが目玉焼きと大きなマッシュルームを焼いて朝ごはん。

 外で働くと毎週末が本当に楽しみだけど、それは歳を取ることを楽しみにしていることと同じなのか?時間の進み方が恐ろしく速く感じる。今年もあっという間に半分を通過しようとしている。

 スザンヌ・ヴェガのコンサートのこと、ファースト・エイド・キット(スウェーデンの若い姉妹フォークデュオ)がとんでもなく素晴らしいこと、今年の夏に大発生した蟻がまだ家の中をうろうろしていることとか(彼らは私たちの想像に及ばないくらいの創造力でもってとんでもないところに巣を作り出す。今日も充電器の中に巣を作っていたのを発見した)、昨日ロッタがマカロンを初めて焼いてそれがすごく美味しかったこととか、タックショップのホームベイクのヴォランティアに私の代わりに彼女がカップケーキを全部焼いて、それが大人気で全部売切れになったこととか(バタークリーム・アイシングが勝因)、Aldiのスペシャルで並んで買ったかいあったVitamix風プロフェッショナル・ブレンダー99ドル5年保障付きの性能のよさに大満足で、毎朝ケールと果物を入れたグリーンスムージーにはまっていることとか、ブログのネタはいっぱいあるけど(でもまあどうでもいいようなことばかりなんだけどね)、今日は「Live Below The Line」のことを書こうと思う。

 先月1日2ドル(約200円)家族4人で8ドルの食費で5日間だけ暮らしてみた。2ヶ月ほど前に「Live Below The Line」という、世界の貧困の中で生きる人々を知ることや彼らの生活を援助する運動があるのを知り、何だろうと少し興味を持ったのがきっかけ。ウィキペディアによると、2009年メルボルンのシェアハウスに住む友人同士が2人だけでトライしたのが始まりだそうだ。2人は貧困を失くすことにずっと情熱を傾けていてそんな彼らが始めた小さな運動がオーストラリアのNGOのOaktree基金と一緒になって大きくなり、今ではアメリカ、カナダ、UK、コロンビアでも行われる運動になったらしい。

 オフィシャルページに行くと、参加者は生活の一部であるSNSを使って容易くキャンペーンを呼びかけて、寄付を募ることができるシステムになっていた。オリジナルのブログも作ることもできる。若い人々はこういうことは朝飯前に入っていけるようだけど、私はかなり苦手だし時間もない。それに家族の誰もフェイスブックはやっていない。でもとにかく5日間チャレンジしてみる価値はあるんじゃないかとボクちゃんに話を持ちかけると、彼も返事一つで同意してくれた。あとは子供たちの理解を得ることだったけど、それも特に難しくはなく、うちの両親はやっぱりストレンジだとまた彼女たちは思っていたと思う。さて、まず最初にしなくてはならなかったのは5日間のメニュー作り。普段あまり気にしていなかった食材の一食分の値段を知ることから始めた。なにしろ馴染みのオーガニックファーマーのマーケットストールにはほとんど値段が表示されていないから。この時は全ての野菜と果物の値段を確認して少なめにと心がけたが(だいたいいつもの半分)、買ったあとで計算してみると1個あたりの単価が高すぎて5日間の中で食べることを許されない食材がいくつかあった。たとえば旬のオーガニックのみかん1個85c(これは大きな驚きというかショックだった)、オーガニック卵1個75c、オーガニック玉ねぎ1個83c。仕方なく土日で消費するか食べないようにし、残念だけど安い玉ねぎと小麦粉をスーパーで買いなおすことにした。その5日間の食生活の記録を残してみたいと思う。

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心の底の静かな湖

 茨木のり子さんの詩を二編。 

  時代おくれ  


車がない   
ワープロがない   
ビデオデッキがない   
ファックスがない   
パソコン インターネット 見たこともない   
けれど格別支障もない


そんなに情報集めてどうするの       
そんなに急いで何をするの       
頭はからっぽのまま  


すぐに古びるがらくたは   
我が山門に入るを許さず       
   (山門だって 木戸しかないのに)   


はたから見れば嘲笑の時代おくれ   
けれど進んで選びとった時代おくれ             
         もっともっと遅れたい    


電話ひとつだって   
おそるべき文明の利器で   
ありがたがっているうちに   
盗聴も自由とか   
便利なものはたいてい不快な副作用をともなう   
川のまんなかに小船を浮かべ   
江戸時代のように密談しなければならない日がくるのかも   


旧式の黒いダイアルを   
ゆっくり廻していると   
相手は出ない   
むなしく呼び出し音の鳴るあいだ   
ふっと   
行ったこともない   
シッキムやブータンの子らの   
襟足の匂いが風に乗って漂ってくる   
どてらのような民族衣装    
陽なたくさい枯草の匂い   


何が起ろうと生き残れるのはあなたたち   
まっとうとも思わずに   
まっとうに生きているひとびとよ 

 

 

      

  時々テクノロジーに魂を抜かれているような気になって、ネットの膨大な情報の前に気分が悪くなることがある。ネットから離れられるキャンプに行くとほんとに心が開放される。でもやっぱり情報が欲しい。あと10年したら私達は何を求めて生きているんだろう。

 

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スザンヌ・ヴェガと過ごす寂しいホリデイ

 4月。ようやく秋らしい空気を感じるようになったブリスベン。新学期が始まったと思ったらあっという間に10週間が過ぎて行き、また次のホリデイがやってきた。イースターの連休が入ったスクールホリデイである。どうもブログは学期ごとのホリデイブレイクでの更新というゆっくりペースに落ち着きそうだ。

 この10週間、仕事が超多忙で朝8時から昼過ぎまで5~6時間立ちっぱなしで働いてきた。出勤前に家族の弁当を作り、帰宅したら掃除洗濯夕飯作り。それでも体調を壊すことなく元気な自分の体力にちょっと驚いている。ホットフラッシュも来なくなり(フラックス・シードとりんご酢が効いたか?)、季節の変わり目に必ず酷くなる坐骨神経痛も出てこないのは嬉しい。

 それにしても毎日働きながらオーストラリアの人々を見ていると、なるほどなあと感心してしまうことが度々ある。場所柄、お客さんはカレッジ(ナチュラルメディスンと美容学校)の学生や先生、オフィスワーカーや市バスの運転手たちと年齢も職業も様々だが、若いスタッフ達はそういう人々と分け隔てなく楽しい会話を自然に引き出し、お客さんの名前は3回で覚え(オーダーの時に番号札でなく名前をもらうから)、それだけでなくコーヒーの好み(サイズやショットの数、牛乳・低脂肪牛乳・豆乳・ライスミルク・アーモンドミルク・ココナッツミルクの種類)全てを憶えてしまっている。その場で自然に他人と言葉を交わすことは、オーストラリア人にとっては当たり前のことであり、重要なことである。

 月曜の朝になると、ほとんど全てのお客さんに「週末はどうだった?いい週末だった?」と話しかける。これはお店のスタッフ同士でも必須の挨拶だ。訊かれたら、「うんのんびりしてたよ」とか「ちょっと飲みすぎちゃって」とか返事が返ってきて、「で、君のはどうだった?」と必ず訊かれるのがパターンだ。こうやってお互いに自然に知り合っていくのっていいことだ。変な勘ぐりとかなしで、人間同士、袖振り合うだけじゃなくてもう一つ人間的なふれあいのやり取り。そういう私もお客さんの声を聴いただけで名前と顔が浮かぶようになったのだから驚きだ。最近では私の名前を呼んでくれるお客さんもいるし、私の玄米寿司が美味しいと、オーダーを入れてくれるお客さんも出てきたりして嬉しい。

 さてホリデイ。実は我が家はただいま家族2名を海外に送り出している。ボクちゃんは職場の日本語の先生からのご指名で生徒20人の引率で日本へ10日間の旅行中。ピッピは合唱団の3週間のホームステイ(現地の合唱団員の家)を中心にしたヨーロッパツアー(イタリア、スイス、オーストリア、チェコ)の真っ最中。そういうわけで私とロッタはトンカと静かなスクールホリデイを過ごしている。家族が2人いなくなれば、洗濯も食事の支度も楽になるからいいだろうと思ってたら大間違いで、一人娘になってしまったロッタのケアをおろそかに出来ない(お父さん任せにして来たツケ)という母親の責任の重さを改めて感じているところなのである。母ひとり、子ひとりって結構(というより相当)しんどいものなんだなあ。2日前日本に滞在中の父親から電話があり、京都の居酒屋(えびすバーって言ってたな)で美味しいものたらふく食べたって!?アンフェア!

 私なんて、昨日はお風呂場の大掃除に一時間費やしたんだ。新しくしたアールデコ調のお風呂場の床には長年の憧れの白黒のチェッカーにタイルを張ってもらったは良かったけど、埃や足跡がつきやすいのが欠点(掃除はし易いけれど)。シャワーの壁のタイルの目地やガラスのスクリーンもまめに掃除をしておかないと後で困ったことになる。こんなことなら前のシミだらけのお風呂場のままが良かったとちらりと思ったりしたが、キッチンもそうだけど、掃除を愉しむ習慣もでてきたので、エコな掃除グッズ(アクリルたわしって凄い!)を取り入れて楽しむようにしている。お風呂場が新しくなって半年になるが、まだ電気もタオルバーも付いていない。この間やっとトイレットペーパーホルダーを取り付けてもらった(ボクちゃんに)。今年の終りくらいには電気がつくことをあまり期待しないが願っている。

 最近作ったお菓子。凄く久しぶりに作った、りんごのアップサイドダウンケーキはグルテンフリー・ヴァージョン。

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 最近うちでお菓子を焼く時間が作れないのだけど、その代わりにロッタがそれはもう色々作っているのだ。小麦粉とバターの本格的なペイストリーも2回作って覚えた。空焼きしてナッツと半分に割ったネクタリンを並べ、種を抜いた穴にベリーを散らし、クリームと卵のフィリングを流して焼くだけ。レシピはガーディアン紙のWhite peach and blackberry tart  「looks yummy」という件名でリンクをメールで送ってきたボクちゃんのリクエストであった。たまには洗い物をやって欲しいと私からのリクエストを送りたい。

 

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これはハッピーになる日記

  ネットから離れると言っておきながら、しつこく更新。ブログはまだ続けるつもりでいるけれどどうなるかな今年は。

 ホリデイに久しぶりにキャンピングに行ったのでその写真を並べてみよう。NSWのクラレンス・リヴァー6日間。ツイッター(=ネット)なしってほんとに気楽。外で本をじっくり読んでたら、日陰にいても日焼け止めを塗っててもじっくり日に焼けてしまった。

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久しぶり

Happy New Year!

 ずっと元気でした。先週から新学期が始まって、スクールホリデイ中はずっとお休みをもらっていた私も仕事再開。 7週間ぶりに戻った職場のバックルームが改装されてキッチンが広くなって嬉しい。

 それにしても去年の後半はあれよあれよという間に過ぎていった。一昨年のキッチン改装に続きバスルームの改装(どちらも中途で終わったまま)。家の中の一角は物置状態でホリデイ前半は片付けと掃除に明け暮れた。ebay初挑戦でキッズのロフトベッド2台が新しい子供達の部屋に旅立って行った。ボクちゃんの子供の時乗ってたらしいプジョーの自転車も売れたぞ。11月はボクちゃんと名古屋の路上で出会ってから20年という記念の日があったけど、忙しくて何もしなかった。。。

 女の子たちはまた背が伸びた。下のロッタは164cmで今年中には私を追い越すだろう。ピッピはもう170cmを超えてまだまだ伸びるつもりのよう。昔GPのドクターに子供たちに牛乳を飲ませるのをやめたとのだと話したら、カルシウムが足りなくなるわよと心配されたけど、あれから背はぐんぐん伸びたし骨折したことだって一度もない(チーズとアイスクリームは食べさせてたけどね)。そのドクターにピッピは喘息だと診断されたんだっけ。ロッタも同じ時期に何度も長引く風邪を引いて抗生物質を出された(絶対に飲んでくれなかったが)。喘息の薬の処方箋を破り捨て、牛乳アレルギーのことをネットで知って試しに飲ませるのをやめたら、瞬く間に咳も鼻水も止まり、以来風邪のひとつも引かなくなった。子どもたちが医者に会ったのはそのときが最後になった。

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 酷署が続いた新年。旧いバスタブは今は前庭の木の下にあって、水浴びにとても良い。 子供のように水と遊び、水と愉しみながら、この原始的な涼のとり方がエアコンよりもはるかに気持ちがいいとしみじみ体で感じた。

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春休み、お風呂場改装、「聴く力」

 2ヶ月ぶりの更新。ブリスベンはジャカランダの花が咲き始めた。春休みも半分が過ぎた。私も2週間のホリデイをもらった。

 今年は長年の花粉症を克服して(奇跡だ!)気持ちのいい春を過ごしている。ネットで知ったヴィタミンC摂取とジンジャーティー(小さじ山盛り一杯のすり下ろし生姜に熱湯を注ぎ、はちみつを少々)がてきめんに効いたのだ。本当に信じられない。でももしかすると、自家製プロバイオティック豆乳ヨーグルトや自家製キムチや、抗酸化スーパーフードか数ヶ月前から摂り始めた植物性オメガ3・6・9ブレンドオイルが効いているのかもしれない。思えば23年間花粉症に悩まされていたのだ。日本にいたときは春と秋の2回。ブリスベンでは8月半ばから10月までがつらい時期だった。抗ヒスタミン剤、甜茶、漢方薬、ガーリックのサプリメント、ホメオパシーと、今までいったいいくらお金をつぎ込んでいたのだろう。

 花粉症とさよならできて喜んでいたのもつかの間。実は冬の終わりにうかつにも湯たんぽで低温やけどをして、なかなか治らないので医者に行ったら3度のやけどと診断されてしまったのだ。こんなひどいやけどは生まれて初めてだ。湯たんぽですねをじっくりスロークッキングしてしたってことか。ああ情けない。

 毎年のことだが、年の半分を経過するとその先の時間の進み具合が2倍速くらいに感じる。しかし今年あと3ヶ月だなんて信じられない。カフェの仕事は順調で、相変わらず忙しいけれど店の若いスタッフ(彼女達の母親は私と歳が変わらない)と楽しく仕事をさせてもらっている。そしてこの歳になってもまだ学ぶことがたくさんあるのだ。弱ってきた脳のよい刺激になってるかなあ。

 さて。実は我が家は現在お風呂場の改装中なのである。夢に見た新しいお風呂場だけど、いざデザインを考えようとするとなかなかアイディアがまとまらない。この一週間ブリスベン中のバスルーム関連ショップをあちこちあたってきたが、構想は一転、二転、三転し、今日ようやく決定した。というのもモダンなヴァニティー・ユニット(化粧洗面台)を入れるかどうかですったもんだがあったのだった。アンティークのチェストに穴を開けて陶器のボウル(洗面器)を入れることも考えた。しかし結局決めたのは(それは今日)クラシックな陶器のペデスタル・ベイスン(足つき洗面台)。

 しかしお風呂場はキッチンと比べ物にならないほどお金がかかる。というのもまず長年の悩みの種だった壁と天井のアスベスト・ボードを取り除く工事から始まった。これが一ヶ月前。ちなみにアスベスト除去の作業員はこんな防護服(asbestos removal suit)だそうだ。それほど危険なものなのだ。

 あと一週間で完成予定。現在シャワーはタープで囲った庭の特設露天シャワーで済ませている。これなかなか素敵。なんだかキャンピング気分。それからハイヤーした簡易トイレも庭にあって、まるで音楽フェスティヴァル気分(ただきつい殺菌・消臭剤の甘ったるい匂いが我慢できないけれど)。

 写真はお風呂場から退去中のバスタブ。新しいのを買ったほうが安いのだが、古い物(というか古くて鉄製のもの)を粗末に出来ないボクちゃんはレストアすると決意。

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 続きは最近作ったお菓子など。

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1954年7月27日


 石垣りんさんは、社会問題を告発する詩をいくつか残している。これは59年前の今日の日記。彼女は今、雲の上からどんな想いで日本を見つめているだろうか。

 

日記より 

 

一九五四年七月二七日
これは歴史の上で何の特筆することもない
多くの人が黙って通りすぎた
さりげない一日である。

 

その日私たちは黄変米配給決定のことを知り
その日結核患者の都庁坐り込みを知る。

 

むしろや毛布を敷いた階段、廊下、庭いっぱいに横たわる患者ストの様相に
私は一度おおうた眼をかっきりと開いて見直す。

 

明日私たちの食膳に盛りこまれる毒性と
この夜を露にうたれる病者と
いずれしいたげられ、かえりみられぬ
弱い者のおなじ姿である。

 

空にはビキニ実験の余波がためらう夏の薄ぐもり
黄変米配給の決定は七月二四日であった、と 新聞記事にしては、いかにも残念な付けたりがある、

 

その間の三日よ
私はそれを忘れまい。

 

水がもれるように
秘密の謀りごとが、どこかを伝って流れ出た
この良心の潜伏期間に
わずかながら私たちの生きてゆく期待があるのだ。

 

親が子を道連れに死んだり
子が親をなぐり殺したり
毎夜のように運転手強盗事件が起り
三年前の殺人が発覚したり、する。
それら個々の罪科は明瞭であっても
五六、九五六トン
四八億円の毒米配給計画は
一国の政治で立派に通った。

 

この国の恥ずべき光栄を
無力だった国民の名において記憶しよう。

 

消毒液の匂いと、汗と、痰と、咳と
骨と皮と、貧乏と
それらひしめくむしろの上で
人ひとり死んだ日を記憶しよう。

 

黄変米配給の決定されたのは
残念ながら国民の知る三日前だった、と
いきどおる日の悲しみを
私たちはいくたび繰り返さなければならないだろうか。

 

黄変米はわずか二・五パーセントの混入率に
すぎない、
と政府はいう。

 

死んだ結核患者は
あり余る程いる人間のただ一人にすぎず
七月二七日はへんてつもない夏の一日である、
すべて、無害なことのように。

 

  (現代詩文庫46 「石垣りん詩集」思潮社より)

 黄変米(おうへんまい)事件についてはここで詳しく読める。当時の厚生大臣が試食して安全性をアピールするなんて、まるで原発事故後の今日の政府の対応そのものだ。


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「シカタガナイ」を追放

 原発の持続不可能性、プルトニウムの危険性などについて、専門家の立場から警告を発し続けた高木仁三郎氏の本『市民科学者として生きる』(岩波新書)の終章の始めに、カレル・ヴァン・ヴォルフレン著『人間を幸福にしない日本というシステム』からの引用がある。                                               

   こんなふうに説得を進めさせて下さい。個人はすべて、少しだけなら自分の環境を変える能力がある。(中略)そうなる前提として、あなたは基本的で重大な一歩をまず踏み出さなければならない。(中略)つまりそれは、日本で最も頻繁に使われる政治用語「シカタガナイ」をあなたの辞書から追放すること。”

 
                                                  

 21日は参議院選挙。在外選挙は7月5日に始まり、私は先週の初めに仕事帰りに日本領事館で投票してきた。いつも思うのだが、領事館の投票所(事務所ではなく同じフロアの別室)に待機している役員全員(5、6人)から投票会場に来た私一人に視線が集まるので(投票に来る人はまばらだ)いつもものすごい緊張感を伴う。この緊張感に勝てなくて、というか崩したくていつも何か話をしてしまいたくなる衝動に駆られるのだがこれは適切な行為ではないのかもしれない(実際してしまった)。

 今回の選挙で違ったことは、今まで在外選挙証保持者へ直接封書で送ってくれた知らせがなかったことだ。ネットで情報が入ってくるから私はいいけれど、ちょっと不親切ではないかと思った。訊いたら「今回から廃止になった」ということ。ちなみにこのサイトによると昨年の衆院選で在外選挙登録していても投票した有権者はたった20%程度だったそうだ。

 思えば、在外選挙制度が始まったのがちょうど私がオーストラリアに来た年からだった。その時以来の登録だったので、地元の区役所から届いた在外選挙人証の欄は今回の投票でいっぱいになった。次の選挙に必要な新しいカードを発行するために申請書を領事館に提出したのだが、その時スタンプいっぱいになった古いカードを持っていかれたのが残念だった。皆勤賞とかないの(笑)?

 しかし近頃の領事館のセキュリティーチェックの厳しさには驚くものがある。用事がある2つの部屋に行くのに2人の警備員がIDカードの確認と金属探知機片手で歓迎してくれるのだ。今までこんなんだったっけ?領事館入場では携帯電話とカメラも入り口で預けなければならなかった。

 今日はそんなのほほんとした気分でこれを書いているわけではないのだ。とにかくこの1、2週間選挙と政治関連のニュースに目が離せない。選挙のため軒並みに増えてくるツイッターのタイムラインを無視できなくて毎晩iPodタッチ(ツイッターに便利、だけど目が悪くなるなあ)を持って布団に入っていたら昨日で総ツイート数が4000に届いてしまった。ほとんどがリツイートけれど、もうとにかく黙っていることなんてできない。たかが一票、されど一票。

 昨夜読むことが出来たジブリの会報”熱風”の特集「憲法改正」には涙が出る思いだった(無料PDF配信は明日20日18:00まで)。私達は政治に参加しなくてはならない義務などない。参加出来る権利があることを頭にいれておくべきだ(ちなみにオーストラリアでは投票は義務である。投票会場の小学校などではケーキストールや古本ストールなんかが出てちょっとしたお祭り)。 平和な暮らしを他人任せにしてはいけない。

 追記:7/26のBLOGOSに宮崎さんの「憲法を変えるなどもってのほか」が全文掲載されました。

 追記2:PDFのリンクがみつかりました。

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写真日記半年分

 雨模様の週末。そして冬休みも既に半分が経過。今回は仕事を2週間オフにしてもらった。プロジェクトが山積みなのになかなか片付かないのはどうしてだろう?日が短くなったせいで、うかうかしてると一日があっという間に終わってしまう。大体、夏には5時には起きていたはずなのに、今や8時起き(!)。

 そう、夏の間続いてた早朝ウォーキングはただいま休止中。エクササイズをやめた途端体重が3kg増で、あわてて仕事場から歩いて帰るようにした。1時間15分かかるけど、日差しが暖かくてとにかく気持ちがいい。音楽を聴きながら、バス代片道4ドル(高いよねえ)浮くのでさらに足取りは軽いのだ。ちなみにこちらでは普通交通費は支給されない。お店のスタッフはみんな車で出勤し、1日15ドルの駐車場を利用しているのには驚いた。

 この頃の私の朝ごはんは玄米粥。歳をとった証拠かなあ。でも冬は温かい朝食が欲しいのだ。玄米をたくさん炊いておにぎりにして冷凍。小鍋で梅干と一緒に煮るだけ。小豆玄米の時もある。お赤飯のお茶漬やおかゆを食べる度、自分の結婚式に雨が降るからお茶漬けにするのは駄目よと祖母か母親に言われたことを思い出す。そんなに悪いことなのか?美味しいんだけどね。当時はそれがどうしたと反発もしなかったのは、やっぱり自分の結婚式が雨に祟られるのは嫌だと思ったのかなあ。でも自分の結婚式の想像なんてしたくなかった。実は今でもしたくないのだが。

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 ごはんの友自家製キムチも欠かせなくなった。アミやナンプラーの替わりにお味噌とお醤油と昆布を入れた。家で食べるのは私一人だけ。それでも月に一回は白菜一玉漬けている。旬の白菜はしゃきしゃきと美味しい。

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 この際だからたまってた半年分の写真をぱらぱら並べてみるかな。

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雲をつかむ時

 朝の通勤バスの車窓から眺める雨に濡れたブリスベンシティーの景色は、iPodに入れたばかりの音楽といっしょに雲が流れるかのごとくゆっくりと動いていった。

 その音楽とは2週間くらい前に車の中で聴いたラジオでかかってた音楽で私は一曲(正確には途中から聴き始めたので半分)聴いてすっかり魅了されてしまったのだ(いつもの話だけどね)。曲が終わった後、タイトルを聞き逃さないように運転しながらも注意深く耳を傾けた。ルーク・ハワードのサン・クラウド、ルーク・ハワードのサン・クラウド、ルーク・ハワードのサン・クラウド。。。。忘れないように3回暗唱して、家に戻ってすぐに検索した。Luke Howard "Sun, Cloud" ラジオでかかっていた曲は多分3曲めのAugustだと思う。

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追憶の夜 Byron Bay Bluesfest

 4月1日イースター・マンデイ。 長年の憧れだったByron Bay Bluesfest の会場、Tyagarah Tee Tree Farmの土を踏んだ。ブルース・フェストは、毎年イースターの連休に開かれていている野外音楽コンサートで今年で24回目。お隣のNSW州だがブリスベンから車で約2時間。こんなに近いのに何故今まで行かなかったのかと思うけれど、それはチケット代の高さとかキャンピングとか宿泊費とか、家族で行ったら一体いくらかかるのだというたくさんの心配があり、決断するのは清水の舞台を飛び降りる覚悟があると思っていたからだ。それでもいつかいちどは行ってみたいと思っていた。

 その今年のイヴェントの最終日に私の愛するポール・サイモンボニー・レイットが演奏すると知ったのは開催の一ヶ月半前のことだった。盆と正月が一緒に来たような(いやイースターとクリスマスが一緒に来た?)もういてもたってもいられなくて、ボクちゃんに呪文のようにBluesfest、Bluesfest、、、と唱え続けたのだが、音楽ファンのくせに気乗りしない彼に私が全部出資(少しながらの稼ぎがあるというのはこういうときに役に立つ)するからとなんとか説得、値下がりしてたファミリー・チケットを購入し、会場から30分のBallinaのリゾートホテルをブックしたのが一ヶ月前。イースターサンデイには大好きなルカ・ブルームも演奏したのだが、2日分となるとちょっと話は違う。とにかく一日だけでも、たとえポール・サイモンだけでも、しかもボニー・レイットもとなればもうぐずぐずしてはいられなかった。行かなかったら一生の後悔。結局なんてことない、清水の舞台を飛び降りる覚悟なんて全然必要なかったのだが。

 

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 車で2時間とはいえ、時差が1時間あるのを前夜に思い出し、早めに出るようにとボクちゃんに促すと、彼ときたらめんどくさそうに聞き流すからもう歯軋りものだったが、後数時間で夢のショーが見られると思うだけで心は既にバイロン・ベイ。当日のランチのテリヤキトーフ・バーガーやフルーツやスナック、飲み物類を用意した。車内でお昼を食べて11時ごろ会場のティートゥリー・ファームに入場。目指すはメインステージのMOJOテント。ビーチ・チェアとピクニック・ラグを広げて(次回からはキャンピング・チェアにしよう)まずは持参の魔法瓶とティーバッグと豆乳で熱い紅茶を作った(職場でもらったkeepcupというのを初めて使ってみた。知らなかったけどこれオーストラリア生まれなんだ)。この日のためにたくさん焼いて持っていったお気に入りのビスケットと開放的な音楽とで、初めての屋外コンサートの緊張感はすっかりなくなっていた。

 

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 本当に夢のイヴェントだった。 今までの人生の中でこれほどまで音楽ファンでいてよかったと感じたことはなかった。 会場に集まった人々のみんなが魔法のような至福な時を過ごしたと思う。ブルース・フェストの写真はこのサイトからも(イギー・ポップ!)。Photos from 2013 BluesFest

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私の故郷

 3年半ぶりの日本。あれからもう3ヶ月が過ぎていってしまった。既に夢の中というか、オーストラリアに戻った瞬間に私の心は日本滞在前の日常モードにすんなりとリセットされてしまっていた。それと同じことだが、日本に着いた瞬間にオーストラリアでの生活の記憶がぷつんと消えて思い出せなくなってしまっていた。

 行きのフライトではゴールド・コースト空港で7時間もの出発遅れで散々な目にあった(実は帰りも関空のチェックインで2時間も並ばされるという酷い目に遭ったのだが)。なにしろ関空に飛行機が到着したのは翌朝の午前3時過ぎ。ホテルに電話しても繋がらないし、空港前に並んでいたタクシーはホテルは近すぎるから乗せてくれない(こんなことあり!?)。結局ホテル宿泊、というか仮眠とお風呂と朝食はあきらめて飛行機会社が臨時で出してくれた難波行きのバスに乗って始発の近鉄特急で名古屋に帰ることにした。しかし信じられないことに、切符を買おうとしたら現金しか取り扱ってないと言われ、ゾンビのような顔をして真っ暗な寒い難波のビル街をATMさがして歩く羽目になった。コンビニを見つけ、マシーンに銀行カードを入れて日本の紙のお金が出てきたときは本当に嬉しかった。

 私の目に映った311以降の最初の日本の景色。平常通り規則正しく移動する都会の日本人の姿。駅や交差点やお店のエスカレーター付近で繰り返されるアナウンスの雑音。知っていたはずの日本の日常に凄く違和感を感じた。なるべく他人とコミュニケーションをとりたくない、人と係わりたくない、そんな雰囲気がなんとなく伝わってくるのだ。それは単に日本人のシャイな性格だからなのか?それとも私がオーストラリアに長く住んでしまったから感じるだけのことなのか?

 他にもお店での若い人々の「いらっしゃいませ~」と繰り返される鼻にかかった奇妙な声が馴染めなかった。彼らはその時作業しながら自分の手を見ながらいらっしゃいませと繰り返し、その目を誰にも向けていない。大きな全国チェーンの古本屋に行った時もマニュアル通りに接客というか、パチンコ屋のようにただ自動的に音声を回転させている店員のアナウンスが不思議だった。そういえば、忙しく動き回る店員をやっと捕まえて「詩集はどこにありますか?」と訊くと、案内されたのは手芸の本の並べてある一角。これはもう苦笑いをするしかなかったっけ。だってまるで茨木のり子の「詩集と刺繍」だったから。

 

  詩集と刺繍

  詩集のコーナーはどこですか
  勇を鼓して尋ねたらば
  東京堂の店員はさっさと案内してくれたのである
  刺繍の本のぎっしりつまった一角へ

  そこではたと気づいたことは
  詩集と刺繍
  音だけならばまったくおなじ
  ゆえに彼は間違っていない

  けれど
  女が尋ねたししゅうならば
  刺繍とのみ思い込んだのは
  正しいか しくないか

  礼を言って
  見たくもない図案集など
  ぱらぱらめくる羽目になり
  既に詩集を探す意志は砕け

  二つのししゅうの共通点は
  共にこれ
  天下に隠れもなき無用の長物
  さりとて絶滅も不可能のしろもの

  たとえ禁止令が出たとしても
  下着に刺繍するひとは絶えないだろう
  言葉で何かを刺しかがらんとする者を根だやしにもできないさ

  せめてもとニカッと笑って店を出る

 

 雪のクリスマスに両親と一緒に行った一泊二日の山中温泉バス旅行。名古屋駅からの送迎バスの旅は快適で子供達もボクちゃんも楽しめた。インターネットで見つけた格安温泉宿だったけど、本当にそれで採算がとれるのかと心配になった。

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福島からの報告:ウラン供給国オーストラリアで語る福島の現状

 原発事故から2年。

 3月12日火曜日、ブリスベンで、福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さん(月刊現代農業2011年9月号「福島県飯舘村の酪農家、長谷川健一さんの話」)、ピースボート川崎哲氏(川崎哲のブログ)、メルボルン在住松岡智広氏(Japanese for Peaceメンバー:JFPピースフル通信「日本の原発再稼働と豪州のウラン採掘の関連」 )らを招いてのパブリックフォーラムが予定されています。

 場所はシティーのクィーンズランド・パーラメントハウス。時間は11amから。入場無料。

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 主催は Choose Nuclear Freeフェイスブックのページで詳細が読めます。私は仕事で行けない。悔しい。残念。。。仮病を使おうか本気で悩んでいる(この元気な私が?ばれちゃうかな)。

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ビッグ・ファイヴ・オー

 1963年2月生まれ。先週ついに50になった(ここではまだ30代半ばくらいに思われているので50だと言っても誰も信じてくれない。冗談だと思われてしまうのも困りものだ)。こちらでは50歳のことを"Big five 0"という。盛大にパーティーをするのが普通らしい。私はまだ50の風格がないのでそれはパスしたよ(というか面倒なの嫌い)。面白いことに先週から仕事が週4日になり(でも一日4~6時間の勤務で無理なく働けるのがありがたい)ワーキングウーマンになってしまったことだ。私の友人でお店のオーナーのリーサは私の誕生日の日にケーキを職場に用意してくれた。若いスタッフもお客さんも一緒になってみんなで祝ってくれて嬉しかった。

 誕生日の朝もらったもの。サプライズのiPod touch 5th Generation 32GB!「ゲームなんてしないしもったいないよ。お店に返してきて」と一瞬というか30分くらい思っていたが、持ってるCDを全部入れてみようと決意したら途端にわくわくしてきたという、まったく子供のような自分に呆れるというか好きだなと思ってしまった。初めてのiPodというかMP3(U2ファンのくせにね)。どうしてこんな薄っぺらなものから音楽が聴こえるのか私の理解を超えている。それでもやっぱりウォークマンほど私の心を躍らせたものはないと思っている。それから写真に入っていないけれど、プレゼントにローズクォーツのネックレスも。愛と優しさの象徴なんだって。うるうる。

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 バースデイ・ディナーはボクちゃんが全て作ってくれて片付けも食器洗いも全部やってくれた。市販のスポンジにブラックベリーとクリームでデコレーションしたケーキも美味しかった。これからは洗濯以外の家事は手伝うって。これはいいぞ素晴らしい。オーストラリア暮らし15年目。朝5時に1時間のウォーキング。みんなの弁当作って(私はいつも昼抜き)出勤。本数が頻繁にある新しいバス・サーヴィスがまたタイミングよくスタートしてシティー方面に行く足取りが軽くなった。今まで使っていたローカルバスはピークアワーでさえ1時間に1、2本だったからね。新しいバス路線私にはとても便利だけど、バス停の数が少ないから利用客は限られてしまうのかな。政治的人気取りとメディア界隈では言われているよう。マスコット・キャラのヘルメットをかぶったシュガーグライダーちゃん(モモンガのこと。ポッサムのように多くはいないけどこの辺りにも住んでいる)、個人的には気に入ってる(写真)。

追記:【閲覧注意】この先に青虫の写真が出てきます。アレルギーのある方はご注意ください。間に合わなかった方、ごめんなさい。これからは気をつけますのでどうかお許しを!

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Happy New Year ウォーターボーイズのオーストラリア・ツアー

 夢の日本から元気に戻ってきています。日本にいたのがもう随分前のことのように感じるのは季節が正反対なのと、ここと日本は何もかもが違っているからだと思う。こちらは帰ってきて最初の一週間はうだるような暑さであの日本の寒さが恋しいと思ったほどだ。あちこちでブッシュファイアーが起こっていて、タスマニアの惨事を聞いてとても悲しくなってしまった。

 さて今夜はウォーターボーイズ(Waterboys)のコンサートに出かけるの。もう30年近くファンなのかと今更知って腰を抜かしそうになるけど・・・。初のオーストラリアツアー。今夜はTivoliです。日本ではマイク・スコットのソロコンサートを含めて(ちょっと記憶が曖昧)2回観たと思う。彼とは87年にアイルランドの遺跡巡りをしてたときニューグレンジで偶然会ったことがあるけれど(同じ見学のグループだった)、自分が本人の大ファンであるということはとてもじゃないけれど伝えられなかった。妖精にいたずらされたような、あの夏のアイルランドにまた自転車に乗って行きたいなあ。

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2日後は日本

 目が回る忙しさだった4学期が終り、昨日から夏休み。実は一ヶ月前にとうとう3年半ぶりの家族4人の日本行きが決まった。最後の最後まで決められなかったのは、3.11以降初めての一時帰国ということもあったが、一番の問題はトンカだったのだ。

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 ボクちゃんの教え子2人が交代でこのでかい犬(舌出して寝ているだらしのない姿で失礼します。撮影は子供)込みでハウスシッティングしてくれることになった。ほっ。。でもトンカが家族の不在の約3週間、じっと私たちを待ち続けるのかと思うととても不憫で心が痛むのだ。ごめんねトンカ、いい子で待ってるんだよ。

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 初公開。私のお菓子が並べられているお店はここ。場所はヴァリーのナチュラルヘルスカレッジの一階(グラウンドフロア)。お菓子は左からオーガニックのスペルト粉とライスシロップとアガヴェネクターをたっぷり使ったヴィーガン・キャロットケーキ(材料全てがオーガニックではない)。オーストラリア産オーガニック玄米粉使用のグルテンフリー・ココナッツ&レモンケーキが好評。クリームチーズアイシングが乗っかってます。グルテンフリーのバナナブレッドは甘さ控えめ。下の写真はちょうど小さな女の子が私のバナナブレッドを買ってもらってるところ。

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 今年は今まで一番お菓子を焼いた年だった。仕事のせいでもあるけれど、新しくしたキッチンは快適だし、何よりもDreenaのヴィーガン・レシピ本は本当に素晴らしくて試してみたくなるレシピがいっぱいなのだ。特に最近好きで何度も焼いているのがこのレジネット・クッキー。レシピは探してみたらこのブログにそのまま出ていた(いいのかな?)。でも写真も素敵だし、他にも試したいレシピがありそうで即行でブックマーク。レジネット・クッキーって言うのはこっちでは見たことないけど、アメリカでは人気の製品なんだと今知る。ビスケットは手軽に手元にある好きな材料で作れてすぐ食べられるのが嬉しい。買いに行くより早いからね。
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