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U2 360°ブリスベン公演とレモンマートル開花と

 想像を遥かに越えた凄いショウだった。Amaizing, Magnificent, Incredible, Owesome, Fantastic...どれもが当てはまる。予習なし(既出のDVDもYouTubeすら観ないで)でCDだけ聴いて気楽に挑んだコンサートだったけど、目の前で起こっていることがただただ信じられなかった。ここまでやってしまうとは・・・(U2.COMから、ステージに上がるメンバーの動画とショウ・リポートや演奏曲目リストが上がってます)。

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 私は祖母を亡くした年にU2と出逢った。20の時のこと。初めての肉親との予期せぬ別れと、社会と自分自身への疑問と不安とで世界にわけもなく反抗的になっていた頃だった(実はこのことに気づいたのはこれを書いている時)。

 ラジオで流れてきた彼らの『ニューイヤーズ・デイ』で背中に電撃が走り、その曲が入っている新しいアルバム『WAR(闘)』を凄い勢いでレコード屋まで買いに走った(自転車漕いで行ったかな)。そしてそのアルバムを聴いた翌日には、出ているアルバム(1st『ボーイ』 と2nd『オクトーバー』)を手に入れ、U2に関する記事の載った音楽雑誌を買い漁った。ロッキン・オンで読んだボノのインタヴュー(UKの音楽新聞ニュー・ミュージカル・エクスプレスNME紙の翻訳)は、当時暗記できるほど繰り返し読んだくらい。その5年後に、古NME紙に載っていた小さなコンサート告知(UKでのジョシュアツリー・ツアー)だけを頼りに私は海を渡った。ウェールズとスコットランドで初めてのスタジアムコンサートを経験する。そしてアイルランドの土も踏んできた(そしてそのさらに5年後には、将来のパートナーとなるひとりのオーストラリア人に会っている。と今また気付く)。

 U2との出会いは偶然ではなかった。私が必要としていたから彼らが手を差し伸べてくれたのだ。東の島国の井の中の蛙だった私が、西の果ての小さな島国から届いた若者達の音楽に共鳴し自分の壁を越えて海に泳ぎ出た。しかしその時の自分の母親の年を越してもまだU2を聴いている自分が存在していることがまた驚きである。

 コンサート後、初期のアルバムを久しぶりに繰り返し聴いている。昔の自分とオーヴァーラップしてしまうので、昔聴いたアルバムを聴くというのは結構勇気がいる。ところが、やっぱり名作なのだ。自分の思い入れだけで名作扱いしていたのではないと納得する。車の中で聴いていたら、ロッタが「これなあに?」と訊くので「U2だよ。若い頃の」と答えると、「ふうん、今のよりいいね。気に入った」と言う。音がよくないから、僕ちゃんに内緒で(笑)リマスター盤買っちゃおうかな。

Boy

October_2_2  War   

会場周辺はコンサートを待つファンで溢れかえって、カクストン・ストリートの飲食店(先回のヴァーティゴ・ツアーの時、エッジがショウの後お忍びでCaxton St に飲みにやってきたそうだ)はどこも満席の大賑わい。この雰囲気で嫌でも盛り上がってしまうおのぼりさんの私。義理姉のパートナーがメキシカン・バーの外の席を予約しておいてくれたお陰で、道行く人々や偽ツアーTシャツ売りを眺めながら開演前のひと時を楽しんだ。ああこのコンサート前の高揚感覚えがあるぞ。そうだウェールズのカーディフ・アームズパークのコンサート。あれは楽しいイヴェントだった。ゲストが、ジ・アラーム(な、懐かしい。。。)にプリテンダースに、他に誰だっけ・・・。

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車道の真ん中でアイリッシュ・パブの写真を撮ってるのは、オフィシャル・フォトグラファー(首からバックステージパスを提げてた)のおじさん。車に気をつけてね。

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「1枚20ドルでどうだい?」所々で見かけた違法ツアーTシャツ売り。どうも彼ら英国方面から来てるみたい。コンサート後には10ドルで売ってる人も。儲けあるのかな。

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カクストン・ストリートへの車の進入がふさがれた6時ごろ。

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スタジアム前の交差点では白バイがスタンバってた。

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会場に入ると、例のオブジェがど真ん中に。
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目の眩むような映像とライティング効果の連続。電気代いくらだろうと余計な心配をする。

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これは『ONE』の時。観客が持ってる携帯をステージに向けてかざすのがお決まり。美しかった。
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コンサート終了。ああ。。。
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 ヴァーティゴ・ツアーでの立ち見に疲れて(何が大変かって、長時間待って並んで入場するのがね)、今回は一番安い指定席を取ったのだが(それでも110ドル)、最後列から数えて5列目くらい。しかもまた双眼鏡持っていくの忘れてしまった。でも私はと言えば、ずっと椅子に座ったまま、時折初期の曲が演奏されるたびに、目頭を熱くしていたというどうしようもない有様だった。我が若き日々の思い出が懐かしい曲と共に走馬灯のように駆け巡り・・・。まったくもう。まあ古くからのU2ファンなら誰もがそうだったんじゃないかと思う。

 この日はジョン・レノンの命日でもあり没後30年という特別の日だった。『スタンバイ・ミー』と『ディア・プルーデンス』を歌った。私の日本に住むジョン・レノンの大ファンの親友が、U2初来日コンサート前のレコード会社(ポリスター!懐かしいね)が開いたフィルムコンサート(何しろプロモヴィデオ以外に動いているU2を観るのはそれが初めてだった)を一緒に観終わった後興奮して私に言った。「ボノはジョンよ!」

 それから、アウン・サン・スーチーさんの開放を喜んでアルバム「オクトーバー」に入っている「スカーレット」をボノが歌った。これをライヴで聴くのは初めてで凄く嬉しかった。Rejoice!

 ニュージーランドでの演奏の動画が上がってた。

 音の悪さは覚悟のうえだった。スタジアムのルーフに反響して、指定席で聴こえる音は予想通り酷かった。僕ちゃんはスタジアムコンサートにはとても批判的で、耳栓(ミュージシャンが使う耳を保護する特注品)をしてコンサート中も時折疲れた顔をしていたけれど。私はとにかく、あんな巨大な仕掛けを目の当たりにしたって、少しもシニカルな気分にはなれなかった。彼らへの音楽の感謝でいっぱいだったから。私をここまで連れてきたのは誰あろう彼らだから。

 追加公演のチケットが30ドル(!)から発売されるという場内アナウンスを聞いて、翌日も子供を連れて来てもいいなと思ったけれど、実は凄まじい映像とライティングの仕掛けに目を凝らしてみていたせいなのか、酷い眼精疲労に見舞われてしまって、体力的に駄目だろうと判断して行くのをあきらめた。

 それにしても、コンサート後ギヴンテラスからそのままシティーバスの臨時便(イヴェントのチケットがあれば無料)に飛び乗って、家まで15分とかからないのは嬉しかった。このシステム(チケット保持者はバス&電車無料)はほんとうに良心的だと思う。それでも家に着いたのは夜中の0時近くだけれど。

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 翌朝は5時半起きで子供の学校のクラスのお別れ会のためのチョコレート・バナナマフィンを焼いていた。子供たちを学校に送り出し、私は8ヶ月ぶりの美容院の予約があって、9時ごろシティー行きのバスに乗っていた。サンコープ・スタジアムの前を通るとすでに並んでいる多くのファンがいた。何時から待っているんだろう?彼らは多分昨夜も観ているんだろうな。ああ、昔の自分だったら絶対にあの中にいたはずだ。最初のU2のコンサート・チケットを手にするために名古屋駅のまん前で前日の昼間から徹夜して並んだんだっけ。あれは本当に最高に楽しかったなあ。あの時に知り合った仲間達。一体今頃どうしているだろう。昨夜の興奮の余韻覚めやらぬまま寝不足で朦朧としながらも、私の乏しい記憶のかけらがふと雲のように浮かんできて、なんだかとても可笑しかった。

 その夜、追加公演に行って来たのだろう、近所から興奮してU2の『アイ・ウィル・フォロー』と『プライド』にあわせて歌う者がいた。深夜2過ぎ。そうか歌わずにはいられないその気持ち分かる。なんていい曲なんだ。だけどお願いだから眠らせて。結局眠れなくなって、朝4時に起きる。子供たち、僕ちゃん最後の学校の日。

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 義理父(先月85歳の誕生日を迎えたばかり)のレッジが呼吸困難になり救急車で病院に運ばれたと知ったのはコンサート当日の朝だった。そして土曜日の朝、ドクターから「彼の心臓はもうすっかり弱っている。3日持つかどうか分からないので覚悟してもらったほうがいい」と告げられ(こういうケースで半年生きたケースもあると付け加えられてはいるが)、重苦しいホリデイの始まりとなってしまった。しかし、奇跡的に元気を取り戻し、昨日念願の帰宅が叶った。

 昨日は午後の大きなサンダー・ストームの置き土産で、すっかりひんやりと新鮮な空気に変わり、暑さでぼおっとした頭が楽になる。元気を出して彼の大好きなお寿司を巻いていって家族みんなで食べた。帰宅を祝ってみんなで乾杯。もう別れを恐れてばかりいられない。今のこの一瞬一瞬を大切に生きていこう。

 レモン・マートルの花が咲いた。甘い香りの素敵な可憐な花たち。

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コメント

わがやはシナモンマートルが咲いております。 

さて、U2、盛り上がっていたようですねー。  私の生徒さんはチケットを急に譲ってもらえることになり、
行ってきたんですが、興奮しすぎてコンサートの後のお酒で一週間へたばっていました。  ちなみに彼、ダブリン出身です。  

義理のお父さん、奇跡的に元気になったとは、すごい。 家族の笑顔とか見るとこういうことがあるって、最近3件ぐらい話を聞きました。  一瞬一瞬を大切に、まさにそうですね。   こういう忙しい時期こそ、周りに影響されずに大切に時間を過ごしていきたいものですね。
Happy holiday!  

momo さん
よく降る雨ですね。
寒くて長袖2枚、レギンスにスカート履き、冬の室内ブーツまで引っ張り出してきてます。
ほんとに今年はクリスマス来るんでしょうか?

シナモンマートルというのがあるのを知らなかった私。
シナモンの香りがするんですって?
いいないいな!今度見せてくださいね。

コンサートの後のギネスは最高だったでしょうね(笑)。
私は二晩目も行けばよかったと今ちょっと後悔しています。
でもこっそりリマスター盤を買ったからいいんだ。

義理父は退院できたとはいえ、まだ一日中ベッドの中で過ごしている状態なんですけどね。
帰宅した日は、思いのほかディプレス気味で心配したけれど、このごろはいつものユーモアが出てきてほっとしているところです。

コメントありがとう。よいホリデイを!xmas

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