ストームが2回も襲った土曜日
暖かくて湿り気のある空気を感じる普通の土曜日の朝だった。そういう日はだいたいストームが来るとみんな知っている。土曜日はマーケットの日だから雨が降り出す前に早めに出かけなきゃと思いながらお茶を飲んでちょっとヨーガのストレッチ。それでもたもたしていたら時計は7時45分を回ってしまってあわててロッタと家を出た。
いつもの道を車で走らせていたら偶然オプショップ(寄付された不要品を売るチャリティーのお店:スリフトショップ)の恒例のセールの日で、ちょうど開場時間で人々が並んで教会の礼拝堂に入っていくのをロッタが目撃。予定変更でUターン、セール会場に飛び込んだ。もうそろそろセールだったかなと数日前に胸騒ぎはしていたから面白い。ああ、それにしてもこのオプショップは本当に良心的で感動する。何を手に入れたかって?それはまた私に直接会って訊いてくれたらこっそり教えてあげるね。高いお金を払ってみんなが着ているような流行の服を買うのが嫌いな私にとって、ほんとうにこのお店は救世主(クリスチャンではないよ)。子供たちにも素敵な服が見つかってほくほく。
でもねえ、人々は新しい服を手に入れてこれを処分したんだと思うと、私たちはそういう方々からの恩恵を授かっているのかなあ。でもこういうお金の使い道と言うか、社会の底辺で回るお金はまた違う社会で役に立つんじゃないか?と弱い頭で考えていい方へ解釈したりする。それでマーケットへは一時間遅れて行った。駐車が困難かなと思ったけど、また運良く良い場所に駐められてなんと今日はついてるんだろうと思った。
いつものファーマー達から野菜やきのこや果物を買って家に戻ったのは10時前。ちょうどその頃雨が降り出した。しかしその雨が土曜日のブリスベンを局地的に襲ったとんでもないストームの始まりだったとは思いもよらなかったのだ。
あれよあれよという間にあたりは暗く灰色に変わり、雷と風雨が襲ってデックはあっという間に水びたし、雨が激しくキッチンの窓を叩き付け隙間から雨水が浸入してくる。それでもなんとか通過していってほっとしたが、まるで突然降って湧いた台風のようなストームだった。そしてマーケットのお店の人々は大丈夫だろうかと心配になった。
するとボクちゃんの「バスルームがストームの打撃を受けた!」という声がして、行ってみると、少し開けてあったお風呂場の窓が強風で見事に外れてしまっていた。しばらく落胆していた彼だったけど、ハンディーマンのボクは30分で直してくれた。それでもガラスが割れていなかったのは運が良かったと思う。そのあと地元新聞のウェブサイトを見てびっくり。このストームが一瞬にしてとんでもない被害をもたらしていたのだった。
夜になってもう一度このニュースに目を通してみたら、ケルヴィン・グローヴのマーケットの無惨な写真を見つけ言葉を失った。だってこの写真のちょっと前に私はまさしくここで買い物をしたのだ。いつものように挨拶をして天気のことも話して、よい週末をって、また来週会おうねって。まさかこんなことになってしまっていただなんて酷すぎる。何年か前のクリスマス前のストーム禍を思い出した。あの時のこともブログにちらりと書いたような気がするがいつだったか見つからない。
だいたい午前中にストームが来るというのは稀である。マーケットの人々も午後までは持つだろうと思っていたに違いないと思う。午後ロッタの合唱の送迎で北部に車で行ったが、何カ所か信号が使えなくなっていた。
そして驚いたことに2回目のストームが夜またやってきた。時折雷鳴が轟き地響きがする。今も雨は降り止まない。トンカは全く雷の平気な犬ですやすや眠っているのはいいことだ。この雨がこれ以上の被害をもたらさなければいいと願いつつ、久しぶりのブログ更新がこんな記事になってしまったとため息をついているのだった。
追記:ローカル紙のフォト・ギャラリーでどれだけすごいストームだったかがわかります。Brisbane superstorm November 17 2012
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災難でしたね。大丈夫でしたか?
こういう時、あの高床式の住宅は無事なんでしょうか?
投稿: suika | 2012.11.18 06:53
suikaさん
ストームはまだこのあたりをうろうろしていて、今日は朝から雷がごろごろいったりにわか雨が降ったり怪しげな天気でしたよ。
不気味なストーム雲を午後空にあるのを見つけたのでまた来るかなと思っていたら、案の定またもやでかいのが夕方やってきまして、大雨のついでに雹を降らしていきました。
車を一台外に出したままだったので冷や冷やしたけれど、運よく小粒の雹で難を逃れました。
しかしラジオでの情報によると、トゥオングという隣町ではテニスボールからクリケットボール(ベースボールとは言わないお国柄)大の雹が降ったということです。
ああ恐ろしい。。。
このストームで夕方から2時間くらい我が家から北側方面だけ停電してしまいました。
キャンドルの明かりで夕食を作って食べ終わった頃電気が戻ってきてほっとしました。。
木造の高床式のクイーンズランダーは洪水には強いけど、トタン屋根と木枠の窓は突風や横殴りの雨にはかなり弱いですね。
投稿: yoko | 2012.11.18 21:54
失礼しました。災難というより大災害ですね。オーストラリアは夏だったんですね。テニスボール大の雹が降ったら作物は全滅状態でしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=8k1Wu3ldvjg
上のYou Tubeを見ると、雹の恐ろしさが分かります。私も何度か雹というより霰にあったことがありますが、それでも何が起こったのか分からず驚きました。子供はもちろん泣き叫びました。
地球全体が全般的には小雨なんですが、降る時は一気に降ったり極端な気候になったみたいです。
こちらは11月としては非常に寒いです。
投稿: suika | 2012.11.19 04:41
suikaさん
この動画はアメリカみたいですね。
YouTubeに続々とブリスベンのがあがってました。
翌日のニュース http://youtu.be/3xzyxp18R5g
キッズの興奮振りのほうがすごい http://youtu.be/7R2BgFs1szQ
ドラマティック http://youtu.be/ZKFrodFXhrQ
おばあちゃん笑ってますが。。。http://youtu.be/tF5eMAJWfWU
そういえば、2005年の5月に凄いヘイルが降ったのを思い出しました。
写真に撮ってあるので今度ブログにアップしてみます。
投稿: yoko | 2012.11.28 11:48
hailって「ハイル ヒトラー」のハイルですよね。
NZでは火山が大噴火。自然の猛威には畏怖を感じます。
福島原発は30メートルの崖をわざわざ削って7メートルにして建設されました。実は地震ですでにやられていたんだけど、30メートルあれば津波の被害はなかったでしょう。自然に畏敬を忘れたから起こった事故で、必然の事故でしょう。100年後でもそこに核廃棄物はあったはずですから。
投稿: suika | 2012.11.29 07:46
suikaさん
英語のHail はヘイルと発音して意味は雹とか、手を挙げるとか万歳のことなんですよね。
こっちのバス停のサインに表示があります。
手を挙げてドライヴァーに乗せてくださいの意思表示をしてねのことです。
ここではバス停に立ってるだけではバスは通過していってしまうのです。
http://www.veezzle.com/photo/1098005/Hail-Driver
ちなみにブリスベンの市バスと全く同じデザインのこのバス停はどこにあるのかと調べたら、サンシャインコーストのヌーサでした。
ドイツ語ではHeil と綴ってハイルと言うのは誰もが知っていて誰も使わない言葉なんでしょうか(ドイツ語には詳しくないのですが)。
そうそう、チャックベリーの映画に”ヘイルへイル・ロックンロール”ってありました。
http://youtu.be/gT2aeKsOqao
投稿: yoko | 2012.12.01 23:09
ブリスベンでゴルフボール大の雹が降るなど大荒れだとニュースでチラッと見ました。
yokoちゃんのところは大丈夫でしたか?
日本では全く話題になっていません。
投稿: suika | 2014.11.29 04:09
suikaさん
心配してくださってありがとう。
そうなんです。
もう前のようにいちいち日記には書きませんが、ブリスベンの夏の名物神出鬼没なスーパーストームがまた来てしまいました。
私の家にも雹が降ってきて窓ガラスに当たったらどうしようと怖くてうちの中で右往左往してましたが小粒の雹だったので難を免れました。
でも夫が車で帰宅途中にストームに遭ってしまい、5分くらい路上で停車してたそうです。
周りは真っ白で数えられないほどのゴルフボール大の雹が一斉に車に当たって(暴徒に襲われているような感覚)車の中で生きた心地がしなかったそうです。
来年で還暦を迎えるビートルが無残な姿になってしまいましたが、新しい塗装をする直前だったのが慰めだったかな。
もしかすると保険がうまくカヴァーしてくれるかも!
それにしても一部ではクリケットボール大とも言われるサイズの雹が降ったらしいです。
http://www.couriermail.com.au/news/queensland/army-mobilised-to-help-cleanup-after-brisbanes-freak-storm/story-fnkt21jb-1227137608689
こんな恐ろしいストームが襲うなんて誰も予想してなかったけれど、一人の死者や大怪我をした人がいなかったのが幸いでした。
新聞記事を見ると私がその日仕事を終えて歩いてたシティー界隈が無残なことになってて、帰宅時に遭遇しなくて良かったと胸を撫でおろしています。
損害額もスーパーサイズのようですが、G20後だったのは運が良かったんじゃないかと思います。
クリスマスまでに4ヶ月ぶり(4か月分!)のブログ更新したいな。
大晦日の朝には娘2人連れて日本ですから!
投稿: yoko | 2014.11.30 17:04
大みそかは日本ですか!
楽しみですね。
私は今から久しぶりに実家に帰省します。
投稿: suika | 2014.12.01 05:00