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追憶の夜 Byron Bay Bluesfest

 4月1日イースター・マンデイ。 長年の憧れだったByron Bay Bluesfest の会場、Tyagarah Tee Tree Farmの土を踏んだ。ブルース・フェストは、毎年イースターの連休に開かれていている野外音楽コンサートで今年で24回目。お隣のNSW州だがブリスベンから車で約2時間。こんなに近いのに何故今まで行かなかったのかと思うけれど、それはチケット代の高さとかキャンピングとか宿泊費とか、家族で行ったら一体いくらかかるのだというたくさんの心配があり、決断するのは清水の舞台を飛び降りる覚悟があると思っていたからだ。それでもいつかいちどは行ってみたいと思っていた。

 その今年のイヴェントの最終日に私の愛するポール・サイモンボニー・レイットが演奏すると知ったのは開催の一ヶ月半前のことだった。盆と正月が一緒に来たような(いやイースターとクリスマスが一緒に来た?)もういてもたってもいられなくて、ボクちゃんに呪文のようにBluesfest、Bluesfest、、、と唱え続けたのだが、音楽ファンのくせに気乗りしない彼に私が全部出資(少しながらの稼ぎがあるというのはこういうときに役に立つ)するからとなんとか説得、値下がりしてたファミリー・チケットを購入し、会場から30分のBallinaのリゾートホテルをブックしたのが一ヶ月前。イースターサンデイには大好きなルカ・ブルームも演奏したのだが、2日分となるとちょっと話は違う。とにかく一日だけでも、たとえポール・サイモンだけでも、しかもボニー・レイットもとなればもうぐずぐずしてはいられなかった。行かなかったら一生の後悔。結局なんてことない、清水の舞台を飛び降りる覚悟なんて全然必要なかったのだが。

 

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 車で2時間とはいえ、時差が1時間あるのを前夜に思い出し、早めに出るようにとボクちゃんに促すと、彼ときたらめんどくさそうに聞き流すからもう歯軋りものだったが、後数時間で夢のショーが見られると思うだけで心は既にバイロン・ベイ。当日のランチのテリヤキトーフ・バーガーやフルーツやスナック、飲み物類を用意した。車内でお昼を食べて11時ごろ会場のティートゥリー・ファームに入場。目指すはメインステージのMOJOテント。ビーチ・チェアとピクニック・ラグを広げて(次回からはキャンピング・チェアにしよう)まずは持参の魔法瓶とティーバッグと豆乳で熱い紅茶を作った(職場でもらったkeepcupというのを初めて使ってみた。知らなかったけどこれオーストラリア生まれなんだ)。この日のためにたくさん焼いて持っていったお気に入りのビスケットと開放的な音楽とで、初めての屋外コンサートの緊張感はすっかりなくなっていた。

 

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 本当に夢のイヴェントだった。 今までの人生の中でこれほどまで音楽ファンでいてよかったと感じたことはなかった。 会場に集まった人々のみんなが魔法のような至福な時を過ごしたと思う。ブルース・フェストの写真はこのサイトからも(イギー・ポップ!)。Photos from 2013 BluesFest

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会場にはエコ&エスニックなマーケットストールが並んでいた。これはトラックの幌の再利用で蘇った丈夫そうなバッグや帽子。

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 野外フェスティヴァルといったらガムブーツ(ゴム長)。ファッションの一部になってるのかな。私達も用意していったけど使わずに済んだ。P1010983

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 一部水溜りが残っていたので歩くのには注意がいったけど。

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 慣れた人たちはガムブーツでどこにでも行ってしまう。

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 ブルースフェストの観客の典型的出で立ち。

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 我々はボニーのステージの前にヴェジタリアン・ストールで早めの夕飯をテイクアウェイした。カレー美味しかった。このお店、ウエスト・エンドにあるね。

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 会場内にある6つのテントの中で一番大きなのがこのMOJOステージ。ここでボニーとポールに会えるんだ!

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 テントの下はこんなふう。スピーカーから程よく離れていて音も素晴らしくよかった。赤ちゃん連れの音楽ファン・ファミリーもよく見かけた。赤ちゃんのほとんどには耳を保護する可愛い耳当てが付けられていて感心(下写真中央に写ってるのわかるかな?)。

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 ボニー・レイットは先のザック・ブラウン・バンドとメイヴィス・ステイプルズのステージにそれぞれゲストで登場したりして観衆を涌かせた。彼女のステージが始まったのはプログラム通り6時15分だったと思う。演奏が始まる前にビーチ・チェアやピクニック・バスケットも車に持っていって、持ち物はピクニック・ラグとバックパックだけにした。

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 後ろを振り向くといつの間にかテントの下はぎっしり観客で埋め尽くされていてびっくり。

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 ボニーは63歳。変わらぬ美しい声と完璧なスライドギター演奏に誰もが酔いしれた。私の大好きな(オリジナルはブルース・ホーンズビーがピアノ参加) " I Can't Make You Love Me" が聴けてうっとり。YouTubeで動画発見!

 

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 そしてポールがステージに登場したのは8時過ぎ。一曲歌った後で「地球にこんなに美しいところがあったなんて信じられないよ!」と驚きを隠せないように賞賛していた。


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 この日の2日前に亡くなった彼と縁の深かったプロデューサーへの追悼曲 "Slip Sliding Away"はとても感動的だった。この動画はオフィシャルで彼のHPでも紹介されている。最後に感極まって声が詰まりそうになるポール。

 


 演奏曲はまさにベスト・オブ・ポール・サイモンといったところ。最新のアルバムからは一曲だけ、「サプライズ」からは一曲も聴けなかったけど、やっぱり盛り上がるのは「グレイスランド」からのヒット曲だった。ところがである。そのコンサートも終盤に差し掛かった頃、突然ロッタがトイレに行きたいと言い出し演奏の途中で席を外さなくてはならなくなった(席はもともとなかったのだけれど)。どうしてコンサートの前に行っておかなかったの!!と怒鳴りたくなるのを我慢して、彼女を連れて演奏中に大観衆の中を顰蹙を買いながら会場横の仮設トイレへと進んだ。しかし彼女ときたらトイレがどれも汚れているから入りたくないと言うのだ。やっと見つけたクリーンな個室を見つけ彼女を押入れ、そのあと私も彼女に続いて "just in case"で扉を開けた。その時の演奏曲は忘れもしない「追憶の夜 (Late In The Evening) 」。仮設トイレの中で生のポール・サイモン。これは夢だ。それからは客席には戻らずテントの脇から鑑賞した。「サウンド・オブ・サイレンス」ではロッタを抱きかかえながら周りのみんなと大合唱。思わず涙が。最後の最後のアンコール曲「ボクサー」で大合唱はまだ続く。オーディエンスの多くは自然とアート・ガーファンクルのパートを歌ってるんだよ。いいよね。

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 まだ余韻が残っている。
  

 子どもたちはリストバンドがお気に入りでしばらく取らないでいた。

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 思い起こせば、私が生まれて初めて買った洋楽のアルバムはサイモンとガーファンクル(「アンド」ではなく「と」と呼ぶのがやたら懐かしい!)のセントラル・パークの再結成コンサート盤だった。前の記事に書いたっけ?あったここだね4年前。何と!驚いた。そのエントリー、ボニー・レイットとポール・サイモンのことを書いてたんだ!

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 翌朝真面目な顔をしてボクちゃんは私にこう言った。「僕をここに連れてきてくれてありがとう」 それじゃあまた来年も行く?

 帰りに寄ったバイロンのビーチ。いいお天気でよかった。

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