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2014年4月

心の底の静かな湖

 茨木のり子さんの詩を二編。 

  時代おくれ  


車がない   
ワープロがない   
ビデオデッキがない   
ファックスがない   
パソコン インターネット 見たこともない   
けれど格別支障もない


そんなに情報集めてどうするの       
そんなに急いで何をするの       
頭はからっぽのまま  


すぐに古びるがらくたは   
我が山門に入るを許さず       
   (山門だって 木戸しかないのに)   


はたから見れば嘲笑の時代おくれ   
けれど進んで選びとった時代おくれ             
         もっともっと遅れたい    


電話ひとつだって   
おそるべき文明の利器で   
ありがたがっているうちに   
盗聴も自由とか   
便利なものはたいてい不快な副作用をともなう   
川のまんなかに小船を浮かべ   
江戸時代のように密談しなければならない日がくるのかも   


旧式の黒いダイアルを   
ゆっくり廻していると   
相手は出ない   
むなしく呼び出し音の鳴るあいだ   
ふっと   
行ったこともない   
シッキムやブータンの子らの   
襟足の匂いが風に乗って漂ってくる   
どてらのような民族衣装    
陽なたくさい枯草の匂い   


何が起ろうと生き残れるのはあなたたち   
まっとうとも思わずに   
まっとうに生きているひとびとよ 

 

 

      

  時々テクノロジーに魂を抜かれているような気になって、ネットの膨大な情報の前に気分が悪くなることがある。ネットから離れられるキャンプに行くとほんとに心が開放される。でもやっぱり情報が欲しい。あと10年したら私達は何を求めて生きているんだろう。

 

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スザンヌ・ヴェガと過ごす寂しいホリデイ

 4月。ようやく秋らしい空気を感じるようになったブリスベン。新学期が始まったと思ったらあっという間に10週間が過ぎて行き、また次のホリデイがやってきた。イースターの連休が入ったスクールホリデイである。どうもブログは学期ごとのホリデイブレイクでの更新というゆっくりペースに落ち着きそうだ。

 この10週間、仕事が超多忙で朝8時から昼過ぎまで5~6時間立ちっぱなしで働いてきた。出勤前に家族の弁当を作り、帰宅したら掃除洗濯夕飯作り。それでも体調を壊すことなく元気な自分の体力にちょっと驚いている。ホットフラッシュも来なくなり(フラックス・シードとりんご酢が効いたか?)、季節の変わり目に必ず酷くなる坐骨神経痛も出てこないのは嬉しい。

 それにしても毎日働きながらオーストラリアの人々を見ていると、なるほどなあと感心してしまうことが度々ある。場所柄、お客さんはカレッジ(ナチュラルメディスンと美容学校)の学生や先生、オフィスワーカーや市バスの運転手たちと年齢も職業も様々だが、若いスタッフ達はそういう人々と分け隔てなく楽しい会話を自然に引き出し、お客さんの名前は3回で覚え(オーダーの時に番号札でなく名前をもらうから)、それだけでなくコーヒーの好み(サイズやショットの数、牛乳・低脂肪牛乳・豆乳・ライスミルク・アーモンドミルク・ココナッツミルクの種類)全てを憶えてしまっている。その場で自然に他人と言葉を交わすことは、オーストラリア人にとっては当たり前のことであり、重要なことである。

 月曜の朝になると、ほとんど全てのお客さんに「週末はどうだった?いい週末だった?」と話しかける。これはお店のスタッフ同士でも必須の挨拶だ。訊かれたら、「うんのんびりしてたよ」とか「ちょっと飲みすぎちゃって」とか返事が返ってきて、「で、君のはどうだった?」と必ず訊かれるのがパターンだ。こうやってお互いに自然に知り合っていくのっていいことだ。変な勘ぐりとかなしで、人間同士、袖振り合うだけじゃなくてもう一つ人間的なふれあいのやり取り。そういう私もお客さんの声を聴いただけで名前と顔が浮かぶようになったのだから驚きだ。最近では私の名前を呼んでくれるお客さんもいるし、私の玄米寿司が美味しいと、オーダーを入れてくれるお客さんも出てきたりして嬉しい。

 さてホリデイ。実は我が家はただいま家族2名を海外に送り出している。ボクちゃんは職場の日本語の先生からのご指名で生徒20人の引率で日本へ10日間の旅行中。ピッピは合唱団の3週間のホームステイ(現地の合唱団員の家)を中心にしたヨーロッパツアー(イタリア、スイス、オーストリア、チェコ)の真っ最中。そういうわけで私とロッタはトンカと静かなスクールホリデイを過ごしている。家族が2人いなくなれば、洗濯も食事の支度も楽になるからいいだろうと思ってたら大間違いで、一人娘になってしまったロッタのケアをおろそかに出来ない(お父さん任せにして来たツケ)という母親の責任の重さを改めて感じているところなのである。母ひとり、子ひとりって結構(というより相当)しんどいものなんだなあ。2日前日本に滞在中の父親から電話があり、京都の居酒屋(えびすバーって言ってたな)で美味しいものたらふく食べたって!?アンフェア!

 私なんて、昨日はお風呂場の大掃除に一時間費やしたんだ。新しくしたアールデコ調のお風呂場の床には長年の憧れの白黒のチェッカーにタイルを張ってもらったは良かったけど、埃や足跡がつきやすいのが欠点(掃除はし易いけれど)。シャワーの壁のタイルの目地やガラスのスクリーンもまめに掃除をしておかないと後で困ったことになる。こんなことなら前のシミだらけのお風呂場のままが良かったとちらりと思ったりしたが、キッチンもそうだけど、掃除を愉しむ習慣もでてきたので、エコな掃除グッズ(アクリルたわしって凄い!)を取り入れて楽しむようにしている。お風呂場が新しくなって半年になるが、まだ電気もタオルバーも付いていない。この間やっとトイレットペーパーホルダーを取り付けてもらった(ボクちゃんに)。今年の終りくらいには電気がつくことをあまり期待しないが願っている。

 最近作ったお菓子。凄く久しぶりに作った、りんごのアップサイドダウンケーキはグルテンフリー・ヴァージョン。

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 最近うちでお菓子を焼く時間が作れないのだけど、その代わりにロッタがそれはもう色々作っているのだ。小麦粉とバターの本格的なペイストリーも2回作って覚えた。空焼きしてナッツと半分に割ったネクタリンを並べ、種を抜いた穴にベリーを散らし、クリームと卵のフィリングを流して焼くだけ。レシピはガーディアン紙のWhite peach and blackberry tart  「looks yummy」という件名でリンクをメールで送ってきたボクちゃんのリクエストであった。たまには洗い物をやって欲しいと私からのリクエストを送りたい。

 

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